真冬の熊野古道 中辺路(滝尻〜熊野本宮大社)、大日越の旅【後編】

2020年4月14日火曜日

登山・ハイキング・トレッキング 本編

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真冬の熊野古道。

これまで中辺路(滝尻~本宮)の旅として「計画編」「準備編」、そして道中本編として「前編」「中編」をお送りしてきました。

今回は最後を飾る、熊野本宮大社から宿の湯の峰温泉までの行程をご紹介します。

個人的に実際歩くまで不安だった、大日越に入るまでの生き方を少し詳しめに書いています。

本宮からは大日越を通過して湯の峰温泉に向かいます。

本宮(大斎原)から大日越えの移動がよくわからず、「まあなんとかなるだろ、最悪バスあるし」で臨んだのですが、現地に行ってみると特に迷わず移動できました。

本宮まで6時間ほどかけて歩いた身に大日越えの登りはこたえましたが、歩いてよかったと思っています。

熊野本宮大社~大斎原

本宮を出ると、その前を国道168号が走っており、大斎原は、国道を渡って右に歩いていくとあります。

大鳥居も目立っているので、ここはたぶん迷わないと思います。

15分ほど歩き、「ちょっと寄り道展望台」からその姿が見えていた大鳥居のある旧社地・大斎原(おおゆのはら)へと向かいます。
 遠くからだとその大きさがわかりにくいですが、近寄ると…
 でかっ!

平成12年竣工の日本最大の鳥居だそうです。

鳥居の奥にある木々を抜けていくと、国道に復帰できます。

大日越~湯の峰温泉

国道沿いに本宮と逆側へ歩いていくと、看板があります。
右下の白い看板が大日越の道しるべです。

右に見える山を越えていきます。

道しるべ通りに国道から右に曲がると、すぐに左手に石段があるのでそこから登っていきます。
大日越の始まり
最初は斜面に立つ民家沿いに上っていきますが、ほどなくして山に入ります。

石段がかなり多かったと思います、雨でもなければ歩きやすいと思います。
後ろを振り返って撮影。
最高点に到達するまではずっと登りです。

勾配が急な場所があり、本宮についた時点で実質ゴールと思っていたことも災いしてか中中にきつかったです。

湯の峰温泉までコースタイムで55分でしたので休憩しませんでしたが、登りの途中で一度休んでも良かったかもしれません。


写真のように巨木が生い茂っており、嗚呼この木は大日越に挑む人々をずっと見守ってきたのだろうな、と悠久のロマンを感じさせます。

登り始めて25分で鼻欠地蔵に到着。

写真では分かり辛いですが、鼻が欠けているというか顔がもげているように見えました。

これで登りは終わりなので、ここからは早かったです。

16:22、湯の峰温泉に到着です!

湯の峰温泉(民宿あづまや荘)

温泉街に入ると、まず「つぼ湯」が目に入ってきます。

小屋がつぼ湯になります。

なお、つぼ湯は熊野詣の湯垢離場として世界遺産に登録されていますが780円で入浴できます。

私が訪れた際は、混んでいるようには見えませんでした。


私もつぼ湯に入浴したかったのですが、あまり時間がなく結局は入れずじまいでした。

つぼ湯に入る際には、右奥の公衆浴場で手続するようです。
 湯の峰温泉は、規模としてはそれほど大きくないと思います。

しかし谷沿いに立地しているため雰囲気がよく、「温泉街」感を味わうことができます。

数分歩くと今夜の宿「民宿あづまや荘」に到着です。
入り口は右から回り込んでいく感じです。
 あづまや荘到着が16:30。

朝は8時前から行動を開始したので、この日の行動時間は約8時間半でした。


部屋は必要最低限といった感じ。
トイレが共用のみで、壊れている便器があったのはマイナスポイント。
時間も時間なので、すぐに入浴の支度をしました。

チェックイン時に、同グループで近所にある「旅館あづまや」の温泉も無料で入れると教えてもらい、旅館の方がきれいな気がしたので旅館あづまやで入浴しました。

なお、翌朝に民宿あづまや荘の温泉に入りましたが狭く、旅館あづまやの温泉に人が流れていくのが前提なのだろうか、と思いました。

入浴後、18:30から大部屋で夕食でした。
 写真には写っていませんが、ここでの食事の特徴として温泉で炊いたご飯があります。

薄黄色で硫黄の香りがほんのり。

正直、一度食べればもういいかなという感じでした。

この日は疲れていたので、さすがに早く寝ました。

翌日は民宿内で朝風呂を済ませ、7:30から朝食。
まさかの温泉がゆ…。

普通の白いご飯を食べたかったです。

食後は身支度を済ませてチェックアウトし、メインストリートにあるバス停からバスに乗り、紀伊田辺駅に向かいます(¥1980)。

新宮~名古屋経由で帰るよりも、紀伊田辺~新大阪駅経由で帰った方が高値ですが早く帰れます。

湯の峰温泉発のバスは、一番早いのは6:13ですが朝食を食べられないのでパス。

次は8:29、その次は13:04になってしまうので、頑張って8:29のバスに乗りましょう。

1時間半ほど揺られて紀伊田辺駅に。

10:41発の特急くろしおに乗り、新大阪駅へ。(¥5370)

新大阪駅から関東までは新幹線(のぞみ)を使い、帰宅したのは17時前でした。

帰るだけで8時間半、熊野が山深い土地であることを改めて実感しました。

まとめ

非常に濃い2日間でした。

準備物の過不足なはく、迂回路は想定外でしたが、特に怪我等もなく無事に歩き通せました。

今回の行動中最も寒さを感じたのは、2日目の昼食休憩中でした。

ダウンジャケットも朝の歩き初めに少し着たのみで、歩いていれば寒くないと思います。

天気にも恵まれ、2日目の朝には珍しい雪の熊野古道も拝むことができ、ラッキーでした。

ただ、私が持っていた熊野古道のイメージは「山深く苔むした石段」であったため、真冬は木々の葉が落ちていて寒々しく、ちょっとイメージと違っていました。

初夏~梅雨明けぐらいの季節に歩けば、イメージに近いのかもしれません。

ただしその場合には高温多湿や雨との勝負になると思うので、良し悪しですね。

「道」の世界遺産は熊野古道とサンチャゴ・デ・コンポステラ(こちらはキリスト教の巡礼道)の2つだけであり、熊野古道は日本どころかアジア内でもオンリーワンの存在です。

歴史に加えて紀伊山地の大自然も感じることができる、素晴らしいスポットです。

さあ、あなたはどの時期に熊野古道を歩きますか?

自己紹介

自分の写真
千葉在住の会社員。 Nikon Z 6 を持って山に登っています。 登山は高校で山岳部に入ってから、写真は社会人になってから始めました。 下山後にカツ丼とざるそばを食べるのが大好き。 皆さんの役に立つような情報を発信していきたいです。

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